*****とにかく、劇団員のお母さん方は○○○ ********
――はじめてブーメランに見学に来た時は、どんな印象を受けた？
見学はしてないんですよ。先生から連絡もらってそのまま入っちゃったんで。
――それは、無謀だなぁ（笑）。ふつうは見学してよく考えてから、入るかどうかを決めるん
じゃないの？―
そうなんですかー。
でも、ともだちのたかちゃんも先に入ってて、すごく楽しそうだったか
ら。
――ダメだよ、入る前にちゃんとチェックしなきゃ。先輩のおかあさんたちがちょっとコワそ
うだな、やめとこうかな、とかね（笑）。―
えーっ、なんでですか（笑）！！ みんな感じが良くてやさしいじゃないですか。
うちの子どもも「おかあさんがいなくても、他のおかあさんたちがいるからいい」って言ってるく
らいですよ（笑）。人の気持ちがわかるおかあさんたちだから、たかちゃんのおかあさんと
もよく、ここは居心地がいいね、って話してるんですよ。
先輩のおかあさんたちから、色んな情報をおしえてもらえるのもありがたいし。
――うん、それはあるよね。
うちもお受験、就活と経験してきたけど、その時々で情報をもらったり、励ましてもらった
りでずいぶん助けられたよ。
こどもの病気のことなんかも、ここでカミングアウトしたら、医学書よりも生きた知識や地
域情報がすぐ手に入っちゃった。――
すごいですねー。
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――おかあさんがブーメランに入ろうと思ったきっかけは、よくわかったけど、しんちゃんは
どうだったの？不安とか無かったのかな。―
本人に「どうする？」って聞いたら「前原先生がやってる劇団だから、入る」ってすんなり
答えてましたね。
――マジで？！ それは前原先生が聞いたら喜ぶね。
しんちゃんの初舞台は何だったの？
ミュージカル「モモ」の灰色の男、です。
――そっかー。
せりふの練習とか、どうしてた？
家でぜんぜん練習しないんで、公演の前、新海先生が新メンバー３人をご自宅にまねいて、
特訓してくれたんですよ。
――そうだったんだ。それはありがたいね。
本番では、せりふを小声でおしえてもらってましたけどね（笑）。
**** 「あの〜・・私、裏方は初めてなんですけど〜・・・・」******
――おかあさんも、その時が裏方さんとしての初舞台だよね。
最初はどこのポジションに付いたの？―
舞台袖での大道具係でした。
――何を運んだ、とか覚えてる？
ぜんぜん覚えてないです（笑）。
――それあとピンマイクのフロアーもやって、今では照明もできるんでしょ。そういえば私、
ながめ余興場の公演で、花道の「のれん係」っていうのをやったよ。
かさじぞう役の子供たちが花道に出るとき、手でのれんを上げるわけ（笑）。――
公演前はなんだかいつもせっぱ詰まってて、いつでもピンチ、って感じですよね。本番当日
の午前中のリハーサルで、いきなり「これ、本番でもやってね、頼むね」って言われても、
もう練習する時間がまったくないわけじゃないですか。ものすごく不安ですよ。
今回は暗転のときに、柱時計の針をつけかえる、って役目もあったんですけど、たった一回
のリハーサルで、その次がもう本番とは。
――あせるよね、それは。
こどもたちもステージの上ですごく緊張すると思うんですけど、よくがんばってやってます
よね。ほんとにすごいことですよ。ちょっと真似できませんよね。
――ほんとだよね。
ＢＧＭの音出しを「ぜったい失敗しないぞ！」っ気合いを入れて、どんなに慎重にしてて
も、間違えちゃうことってあるんだ。だからしゅんが一生懸命やってるのにうまくできな
かったとき「なんで間違えちゃったの？」「どうしてできなかったの？」なんて聞けなかっ
たよ。でもその反対に、しゅんがあきらかにそのとき持ってる力を出しきってないことがわ
かっちゃった時は、ちょっと許せなかったりした（笑）。――
